ヘラクレスオオカブトの飼育方法及び繁殖方法の秘訣

こんにちは!

ヘラゾウの石田です!

ヘラクレスオオカブトってかっこいいですよね!

私は子供のころ、ヘラクレスオオカブトを飼ってみたいと思っていましたが

お母さんに「高いのにすぐ星になる(〇ぬ)かもしれないからダメ」なんて言われました。

ご購入を検討されている皆様でも「素人で飼えるんだとろうか?」と心配されている方も多いはずです。

そこで今回、ヘラクレスオオカブトの飼育方法について説明します!

また、ヘラクレスオオカブトは1匹約1万円ですが、繁殖に成功すれば、1ペアから卵が100個や200個取れることもあります。

「生き物を商売道具にするな」という意見もあるかもしれませんが

私は全ての昆虫に愛情を盛って飼育し、販売しています。

昆虫の飼育を通して、子どもたちの非認知能力を高める飼育教室もやっています。

「学校が嫌い」「勉強が嫌い」という生徒たちが

ヘラクレスオオカブトを目の前に目をキラキラさせながら

飼育にかかる費用の計算やたくさん卵を産むために

大きいヘラクレスオオカブトを育てるためにどうするべきか

考えているのは、とても意義があると感じています。

是非、この記事を参考に、ヘラクレスオオカブトの繁殖に挑戦してみてください!

目次

成虫の飼育方法

飼育温度

15~25℃が適温です。

寒いのと暑いのでいうと、暑いほうが苦手で、30℃くらいまでいくとほぼ亡くなります

玄関で飼うのは厳しいですが、最近の家は、外気の遮断性が高いので、リビングなどであれば飼えることが多いです。

もちろん、常時エアコンをかけれたらそれが一番いいですが。

弊社の代表は、自宅で外国の昆虫を飼育していますが、温度が極端に寒い日、暑い日のみ工夫して飼っているようです。

夏の暑いで、エアコンを止めて外出する際は、クーラーボックスの中に保冷剤を入れて管理するそうです。

冬の寒い日で、エアコンを止めて夜寝る際は、クーラーボックスの中にケースを入れ、密閉して、朝起きて部屋の温度が上がったらクーラーボックスを開けるそうです。

冬は昆虫、爬虫類用ヒーターを使うというのもいいでしょう。

ケース

ヘラクレスオオカブトのサイズによりますが、旋回できる大きさが必要です。

ヘラクレスオオカブトのサイズの3倍くらいの幅は確保しましょう。

高さはヘラクレスが足をかけられる高さだと、脱走しようとします。

すごい力で脱走しようとすると、足のフセツが取れたり、角の先端が欠けたりするので注意してください。

また、100円均一などのケースは、簡単に脱走されます。

飼育に実績のあるできればスライド式のケースがお勧めです。

ヘラゾウ推奨はクリアスライダーラージです。

脱走の危険性はほぼなく、空気穴が小さいためにおいが漏れにくく、保湿性も高いのが特徴です。

ホームセンターではあまり見かけず、お客様から要望があったのでヘラゾウで1個800円で販売しています!

マット

ケースの下に敷くマットはハスクチップココチップがお勧めです!

一つ一つの粒が大きいため、足がかりがいいからです。

ヒノキマットは、ダニを抑制してくれますが、粒が小さいため転倒した際に起き上がれないというデメリットがあります。

絶対に避けたいのは、幼虫管理用の黒い土です。

足がかからず、ダニが大量発生するのでやめたほうがいいと思います。

また、マットは定期的に交換しましょう!

ヘラクレスオオカブトは大量のオシッコをするので、1週間くらいするとマットがべちょべちょになります。

衛生的に良くないですし、臭いのは嫌ですからね。

転倒防止材

体の重たいヘラクレスオオカブトが転んだ時、ハスクチップ、ココチップだけでは起き上がれないことがあります。

そこで大き目の転倒防止材を入れることをお勧めします。

ヒノキの短材やが一般的ですが、本物の木だと一定期間経つと腐ったりカビたりします。

ヘラゾウではプラスチックの転倒防止材を使っています。

エサやり

17,18gのワイドカップのゼリーがお勧めです!

16gの深底のゼリーは倒れて食べれなかったり、周りが汚れることがあります。

ペアリング前は高たんぱくゼリーをたくさん与えたほうがいいですが、長生きさせることを目的とするなら、高たんぱくでないゼリーを、3日に1回くらい与えると良いです。

なくなったらすぐ交換を繰り返すと、1日1個以上食べることになると思います。

栄養が多すぎると、人間と一緒で早〇にしますのでご注意ください。

ちなみに、果物を与えるのはお勧めしません。

バナナであれば、まだありですが、匂うし衛生的に良くないでしょう。

ペアリング

繁殖をする際に、まず初めにすることは交尾です。

交尾のことをペアリングと言います。

昆虫は羽化してから土の中でエサを食べずじっとしている期間があります。

外身は成虫になっても、内臓などはまだ成熟しきっていないのです。

エサを食べられるようになると、活動を開始し、その状態を後食と言います。

後食後、ペアリングする成虫は高たんぱくゼリーを大量に与えてください

オススメはぺロリアンゼリープロゼリーです!

完全に後食が開始し、ゼリーを2週間くらい与えたら、ペアリングします。

(安全にペアリングしたい場合、後食開始後1か月くらいがいいかもしれません)

ペアリングの方法は簡単で、メスの上にオスを乗せるだけです。

そうすると、オスがメスのフェロモンを嗅ぎ、興奮して交尾が開始されます!

交尾中は触れずに見守りましょう

交尾は30分で終わることもあれば、3時間続くこともあります。

オスが交尾器を抜くまで待ちましょう。

交尾器を抜くと、メスのお尻とオスの交尾器に赤い糸がつながっている状態が確認できます。

これが交尾完了の証です!

ちなみに、交尾完了しても、卵を産まなかったり、卵を産んでも無精卵ばかりのことがあります。

生物ですので、オス、メスどちらかが繁殖能力に問題があることがあります。

こればかりは確率の問題なのでしかたありません。

また、オスを乗せた場合にメスが逃げることがあります。

相性が悪かったり、メスがまだ交尾をできる状態でないことがありますので、その際は別日に再チャレンジしてください。

産卵セット

次に、メスが卵を産む場所を作りましょう。

20L以上の、深さのあるケースを準備してください。

使用する土は、発酵の進んだ黒っぽいマット(土)がいいでしょう。

ヘラゾウでは月夜野きのこ園さんの黒土マットや、クワガタショップMDさんのカブトマットベーシックを使います。

また、幼虫管理や、別の産卵セットで使った使い古しのマットを冷凍解凍し、混ぜることもあります。

使い古しマットを入れると、メスが安心しやすいようです。

マットをブレンドする場合、しっかり混ぜてから水分量を確認しましょう。

卵は土の中の水分を吸収して膨らんでいくので、パサパサだとすぐに卵がダメになります。

逆に水分が多すぎると腐ってしまう危険性があります。

水分量の確認のしかたは、マットを手でぎゅっと握って、団子ができれば適切です。

水が指の間からでてきたら多すぎで、団子にならない場合は少なすぎです。

マットの準備ができたらケースの3分の2くらいの高さまでマットを入れます。

その後、ハンドプレスや木の棒などで、マットを上から押さえ、固めていきます。

固め終わったら、その上に再度マットを被せましょう。

こうすることで、硬い層と硬くない層ができます。

この境目にメスは卵を産んでいきます。

産卵セットはこれで完成です。

産卵セットの上部に、メスが転倒しても起き上がれるように転倒防止材をおくのもお忘れなく!

メスはペアリング後、数日高たんぱくゼリーを食べさせ、満腹の状態で産卵セットに入れるとたくさん卵を産んでくれます!

ここでたくさん卵を産む裏技も伝授します!

産卵セットにゼリーを入れるというのが一般的ですが、ヘラゾウでは産卵セットにゼリーはいれません。

ゼリーを入れてしまうと、メスがゼリーを食べることに夢中になり、産卵に集中しないからです。

ゼリーは産卵セットの外で数日与え、産卵セットに投入してからはゼリーを与えないようにすると、たくさん卵を産みます。

産卵を開始し、産卵セットの上部にメスが出てきたら、エサを欲しがっているので再度取り出しエサを与えます。

1週間産卵し続けるメスもいれば、2,3日で上に出てくるメスもいるので、毎日目視して確認してください。

1週間以上潜っている場合、一度ひっくり返して取り出すのがいいでしょう。

メスが動き回った際に、卵を潰してしまう可能性があるからです。

2,3日に一回採卵するか、別の産卵セットを作って移し替えることで、卵を潰さずたくさんの採卵が見込めます。

採卵

トロ船の中で産卵セットをひっくり返し、産卵セットに入っている土を出します。

土をひっくり返したら、手で土の塊(ダマ)を崩しながら卵を探します。メスはダマの中によく産卵します。ダマが無くなるまで土を崩しましょう。

採れた卵は、採卵が終わるまで濡らしたティッシュの上に置いておきます。

孵化、幼虫管理

採卵した卵は孵化するまで、800ccのボトルに入れて管理します。

卵を入れて1.5か月~2か月ほど経過すると卵が孵化します。

孵化した幼虫は雌雄判別できる大きさになるまで、4L以上のケースの中に最大4匹まで入れて管理します。

マットはMDカブトマットベーシックを使うと、幼虫が安全に育ってくれます。

ケースの中に入れて4か月ほど経過すると、幼虫が大きくなって雌雄判別できるようになります。

雌雄判別したらオスは4L以上のケースメスは2Lくらいのケースに移し替えましょう。

雌雄判別後の幼虫はラッシュマットを食べさせます。

マットの交換は3か月に1度行いましょう。

蛹の管理

幼虫期間がオスの場合1年半、メスの場合1年経つと幼虫が黄色くなります

幼虫が黄色くなると、そろそろ蛹になる合図です!

メスの場合、そのまま飼育していくとケースの中で蛹室を作って羽化の準備をします。

オスの場合、そのまま飼育していると、ケースが小さいため、蛹室が小さくなり、角曲がりの状態で羽化することがあります。

ほどよいリーゼントはそれはそれでかっこいいですが、やはりまっすぐでないとサイズが小さく計算されてしまいます。

角曲がりを防ぐ方法で1番簡単なのは、ラクボックスワイドを使うことです。

そろそろ蛹になるかもというタイミングでラクボックスワイドに投入すると、極端に端っこに蛹室を作らない限り、真っ直ぐの角になります!

もう一つの方法としては人工蛹室に移すことです!

専用の蛹室も昆虫ショップに売れていますが、園芸用スポンジをスプーンでくり抜いて作ることもできます!

幼虫は、蛹になる前に前蛹(ぜんよう)という、蛹になる準備の段階があります。

幼虫がマットを食べなくなり、マットや糞を使って蛹室を作り始めます。

見極めがとても難しいのですが、前蛹になったことが確認できたら、人工蛹室に移してあげます。

人工蛹室は予め水に浸して湿らせておきます。

そこに前蛹の幼虫をおけばOKです!

タッパーなどに入れ蓋をし、水分が飛ばないように注意しましょう!
(息がでいるよう通気口を開けてください!)

日が経つと、動画のような感じで蛹になります!

蛹の期間はヘラクレスの大きさによりますが、2ヶ月前後です!

羽化

蛹はだんだん色が濃くなり、次第に蛹の皮を破って羽化します!

ラクボックスワイドの場合、羽化が確認できてからマットを掘って出しましょう!

羽化したてはまだ体全体が柔らかいので、慎重に作業してください!

せっかく二年間頑張って育てたのに、蛹や羽化した成長にダメージを与えて星になるなんて、考えただけでも凹みます、、、

さて、羽化した生体ですが、クリアスライダーにハスクチップをいれ、湿らしたティッシュをいれて後食まで待ちましょう!

ケースないをそれほど保湿する必要はありませんが、乾きすぎもよくないので私はティッシュを入れます。

理由としては、後食が始まると、ヘラクレスがたくさん動き回ります!

動き回ってティッシュがボロボロになってたら、ゼリーを与えるタイミングと思ってください!

さいごに

これらの作業が大変と思うのか、簡単と思うのかは人によって感覚が異なるかもしれません。

しかし、卵が取れた時、幼虫が孵化した時、幼虫が大きくなった時、成虫になった時は本当に感動します

努力し、感動することが、子どもたちの非認知能力を高めてくれます!

子ども大人関係なく、感動するっていいことですし!

是非この感動を、多くの人に体験してもらいたいです!

ちなみに、やり方さえわかれば、小学生でも飼育、繁殖か可能です。

また、ヘラゾウでは障害のある方の就労支援の場として、昆虫の繁殖の場を提供もしています。

単純作業が多いため、作業がしやすく、感動できる場が提供できています!

昆虫飼育は無限の可能性を秘めています!

ヘラゾウはこれからも教育や社会課題解決に取り組みたいと思います!