みなさんこんにちは!
ヘラゾウの藤間です!
私は現在30種以上、800匹以上のカブトムシ、クワガタムシを飼育しています。
1匹1匹大切に育てておりますが、どうしても生体が星になってしまう(死んでしまう)ことがあります。
皆さんにも、大切な生体を大切に育て、天寿を全うさせてほしいです。
そこで、飼育下でやってしまいがちな死ぬ原因をご紹介させていただきます。
目次
温度管理 ~生体~
カブトムシやクワガタムシは自然界で生息している場所により適温が異なります。
外国では四季の気温差が少なかったりするため、生体によって適正な温度が異なります。
ヘラクレスオオカブトなら15~25℃くらいで、30℃だと死ぬ可能性が高いです。
日本では夜でも夏なら30℃を越えることがあるので注意が必要です。
種類による許容温度をしっかり調べて温度管理をしましょう。
もしご家庭でどうしても温度が下がりすぎたり、上がりすぎたりする場合は、クーラーボックスや発泡スチロールを駆使して飼育することが可能です。
夏は保冷剤や凍らしたペットボトルを入れ、定期的に交換しましょう。
冬は普段は暖房のついているリビングで飼育し、就寝して部屋が寒くなる場合のみクーラーや発泡スチロールに入れ密閉すれば、内部温度が下がりすぎることはありません。
その際注意が必要なのは空気穴を空けないこと。
空気穴がないと酸素不足にならないかと心配する方もおられますが、10時間以内なら酸素不足にはそうそうなりません。むしろ空気穴から冷気が入ることの方が悪い方向に作用しがちなのでご注意ください。
温度管理の際、温度計で温度確認はしておいた方が良いです。
温度の履歴が確認できる温度計もありますので、是非ご活用ください。
ゼリーの放置 ~生体~
ゼリーの糖は時間がたつと発酵し、糖が酢へ変化し、食べられなくなります。
発酵の際、ガスが発生するため、密閉に近いケースで飼育している場合、窒息死する可能性があります。
目安としてはカブトムシ、オオヒラタメス、グランディスメスなど、大食感でも40gまでがお勧めです。適切な大きさのゼリーを与えるよう心がけましょう。
クワガタの乾燥 ~成虫~
クワガタ成虫は乾燥に気をつけましょう。
クワガタは乾燥しすぎると死にやすいので、水苔などの管理が安心です。
湿らせたティッシュを入れるのもいいと思います。
また、飼育ケースは気密性の高いケースがお勧めです。
一般的な虫かごでなく、シーラケース制クリアスライダーのようなケースがお勧めです。
http://www.din.or.jp/~coelacan/n_kurisura.html
ただし、湿度が高すぎるとカビなどの菌が死ぬ原因にもなります。
また、糞尿で湿度を保つのもカビや菌の繁殖に繋がります。
カブトムシの湿りすぎ ~成虫~
カブトムシ成虫は湿りすぎに気をつけましょう。
カブトムシは後食後であれば乾燥してるくらいの方が良いです。
休眠中は濡れたティッシュをいれる程度で、後食後はゼリーのみで大丈夫です。
湿りすぎはカビや菌の繁殖の原因になり、生体に悪影響を与えてしまいます。
清潔に保つことはクワガタ同様です。
転倒 ~成虫~
成虫は一度ひっくり返ってしまうと戻るのが大変です。
転倒した生体はジタバタともがき、戻れず疲れて死んでしまうことがあります。
成虫を飼育する際は、必ず転倒防止の木などを入れてあげましょう。
木につかまっていると落ち着いて体力の消耗も抑えられます。
産卵セットでも転倒防止対策が必要ですが、産卵用のマットの上に木を置くと、カビが発生したり、雑虫が繁殖したりします。
爪が引っかかるプラスチックや樹脂の転倒防止材がお勧めです。
ケンカ ~成虫~
成虫同士のバトルは子供達からしたら興奮するものですが、やればやるほど寿命が縮みます。
成虫を管理する際は必ず個別管理しましょう。
また、ブリードする際にオスメスを同居させることにも注意が必要です。
メスが交尾を拒否した場合、オスがメスを殺すことがあります。
クワガタやヘラクレスはメスの首を挟んで真っ二つにすることも少なくありません。
クワガタの場合、あごをしばるなどして対策しましょう。
また、カブトムシやヒラタクワガタはハンドペアリングをお勧めします。
採卵 ~産卵、採卵~
マットをひっくり返して採卵することは飼育の楽しみの一つですが、採卵をすることは孵化率を確実に下げてしまいます。
まず卵はつぶれやすいので、採卵をする際はシリコンピンセットやスプーンなどを使いましょう。
マットをひっくり返す際、マットの重みで潰すこともあるので気をつけましょう。
採卵後、適切な湿度を保たないと、卵が乾燥して爆ぜたり、湿りすぎて腐ったりすることもあります。
メスは卵を産む際、卵の周りに抗菌効果のある体液で周りを固めるとも言われています。
自信がない方は、少し放置して3令幼虫になってから割り出すのをお勧めします。
また、直接素手で触れるのは避け、ビニール手袋などを使用しましょう。
マットのガス ~産卵、採卵~
カブトムシ、クワガタムシのマットは一般的な「砂」などの土ではなく、オガクズ(木を粉砕したもの)を発酵させて作られています。
マットは、基本的に袋詰めされている状態で販売されていますが、開封して空気(酸素)に触れることで再発酵がおこり、ガスが発生することがあります。
このガスは生体に悪影響を与え、最悪窒息死の原因になります。
マットは開封後、2~3日ガス抜き(空気に触れさせること)をしてから使用しましょう。
〇ガス抜き方法〇
マットの入るケースにマットを出し、空気に触れるよう定期的にかき混ぜます。
コバエ侵入防止のために、ジッパー付き不織布を利用すると良いです。
マットのにおいを嗅ぎ、土のにおいがすればOKです。
ツーンとしたにおいがしたり、マットに熱が残っている場合はガス抜きが完了していない証拠です。
また、マットを固詰めのしすぎは酸素不足による再発酵の原因になり、ガスが発生します。
ちょうどいい固さを見つけましょう。
マットの水分量 ~産卵、採卵~
マットの水分量は、ギュッと握って水分が出ない程度です。
水分量が多いと卵が腐ったり、マットが再発酵する可能性があります。
逆に、水分量が少ない過ぎると、卵が干からびてしまいます。
適切な湿度を保ちましょう。
ガス抜き不足 ~幼虫~
幼虫は酸欠で死ぬことが非常に多くあります。
特にマット交換後は、マットの再発酵をしやすいため、蓋を開けて数日様子見をすることをお勧めします。
また、ケースの空気穴が小さすぎるのも良くないです。
大き目の空気穴を空けましょう。
ただし、大きい空気穴はコバエの侵入に繋がります。
メッシュシールやケースに近いサイズの不織布で侵入を防ぎましょう。
食い渋り ~幼虫~
マット交換の際に、全てのマットを交換すると、食い渋りが起こる可能性があります。
すべてのマットを交換せず、一部は使っていたマットを残すことをお勧めします。
ただし、線虫などの雑虫はマットの劣化を引き起こします。
雑虫は1匹いるだけで繁殖するので、やむなくすべてのマットを交換する際は、数日幼虫の様子を観察し、食い渋りがないか確認しましょう。
共食い ~幼虫~
「幼虫は共食いしますか?」という質問をよく受けます。
カブトムシは基本的に共食いしません。
しかし、クワガタムシは他頭飼育をすると共食いをすることがあります。
ちなみに、産卵セットからメスの成虫のクワガタを抜かずに放置していると、メスが自分の子供である幼虫を食べてしまうこともあります。
おいしいのか、ゼリーより幼虫を好んで食べるくらいです・・・
クワガタはとても凶暴なので、親メスは必ず幼虫と同居させず、幼虫同士も同居させずに個別管理しましょう。
カブトムシの場合は共食いしませんが、ストレスを感じるのかあまり大きく育ちません。
また、共食いでなくとも間違って噛んで傷つけて殺してしまうことはあります。
幼虫は個別管理するようにしましょう。
振動 ~蛹~
蛹は成長過程で一番デリケートです。
振動により体液が出るとかなりの確率で星になります。
また、蛹室の崩壊により、羽化不全(羽などが完全な状態にならない)の可能性があります。
蛹室が壊れたら、人工蛹室に移し替えてあげましょう。
いかがだったでしょうか。
生体が死んでしまう理由は他にもありますが、上記に注意するだけで、天寿を全うする生体が増えること間違いなしです!
とはいえ、どんなにブリード玄人でもすべての幼虫を成虫に羽化させることはできないですし、成虫でも突然死んでしまうことはあります。
愛情をもってできる限りのことをして、前向きに試行錯誤することが大切です!
みなさんには楽しいカブトムシ、クワガタムシライフを送ってもらいたいと思います!
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ではでは!